«
»

感情表現『初音ミクAppend』を使ってみた雑感

2010.05.02

初音ミク

4月30日に「VOCALOID2初音ミク」の拡張音源「初音ミクAppend」が発売となりました。
「Append」はそのまま「追加」という意味で、従来の初音ミクの音源データベースに
更に新たな音源データベースが拡張される仕様です。
「Append」で追加される音源データベースは、
[Sweet][Dark][Soft][Vivid][Solid][Light]と名付けられた6種類。
オリジナルの初音ミクの歌声と合わて7種類の声を使い分ける事が可能となりました。
詳細は公式サイトをどぞ。


【リンク】
クリプトンフューチャーメディア – 初音ミクAppend公式サイト


ワタクシはAppendでしか出来ないことを意識して、
期間は短かったものの事前に楽曲を準備しておりました。
量販店で予約していたので、特に問題なく購入。
早速制作作業に入り、Appendに歌唱してもらった楽曲を公開しました。


S-TRIBE.NET – 僕達のセカイ feat. 初音ミク

楽曲の紹介はS-TRIBE.NETのブログでもさせて頂いたので、
この記事では楽曲の制作にあたって感じたことなど、
雑感をタラタラと書いていきたいと思います。

■あたり前ですが初音ミクを使ってることが前提の拡張音源なので

初音ミクを使ってきた人は特に問題なく使用出来ると思います。
発音などはやはり初音ミクなので、細かい調整なしでも十分に聴けるレベルです。
ただし、低音における言葉の分離は「巡音ルカ」以降のVOCALOIDの感じに近い部分があるので
(あいうえお と入れると あんいんうんえんお みたいになる感じ)
2009年以降に発売されたVOCALOIDを使っている人は
よりスムーズに制作作業に入れるかと思います。

■それぞれのデータベースをものすごく簡単に言うと

それぞれのデータベースには想像以上に特徴がありました。
従来の初音ミク(便宜上以下[Normal]と呼びます)を基準にして感想を書いてみます。
あくまで個人的な雑感なので、ぜひ公式サイトのデモや
動画投稿サイトに上がっている作品なども参考にしてみてください。

[Sweet]
小声でささやくように歌っているような印象。
ただし声が小さすぎる側面を感じたので、これに似合う楽曲の雰囲気は限られそう。
音量的に、ダイナミクスを調整したり、コンプレッサーで音圧を上げても
「ささやく」というニュアンスを大きく聞かせるだけで、
それで誤魔化せるというものではなかったです。
ただしNormalとはかなり違うので、今までミクの声的に、
やりたくても出来なかったことが出来るようになっていると感じました。

[Dark]
「病んでる」ような印象ですw
Normalの声と質や声量は似ているけれど、向いている方向が真逆で、
Darkは完全に下げ声、テンションの低い歌い方な感じです。
(Normalはすごく明るい方向を向いた上げ声)
Normalになかった「緊張感」のような成分を多く含んでいると感じました。

[Soft]
Normalの声を落ち着かせて、まさに柔くした印象。
上げとも下げとも取れない中間的な声なので、使い勝手が良さそう。
そういった万能性はあるけれど、アップテンポの曲には合いにくそうなので、
曲調に合わせてNormalでは出しづらかった柔らかさ、優しさを表現出来ると思います。

[Vivid]
Normalの雰囲気に近いけれど、より滑舌が良くなった印象。
Normalでは力強さや「はきはき感」が足りないと言ったときに非常に使えそうです。

[Solid]
Normalになかった力強さを前面に出した印象。
女性VOCALOIDでは「鏡音リン」や「MEIKO」にあった力強さを
ミクでも表現出来るようになった感じ。
力強くなったことで激しめのロックなどにもより馴染むようになりましたが、
腹式呼吸で壮大に歌い上げるようにも聞こえるので、
使い方によってはバラードにも合うと思います。

[Light]
Normalのミクさんの「ミクさん度」を更にアップした印象w
これも特にNormalの延長上にあるデータベースだと感じました。
ネタ曲やカワイイ表現にマッチしやすそうです。

どのデータベースも一長一短なので、楽曲の雰囲気、
もしくは曲中のメロディーや歌詞の雰囲気に合わせて、
適材適所に使用することで良さを最大限に発揮できると感じました。

■VSQ(ボカロ歌唱打ち込み)データの制作が不得意な人はむしろオススメ

ワタクシ、動画のコメントなどで「聴きやすい」とか「調教いいな」とか言われるのですが
案外ベタ打ち(デフォルトのデータをあまりイジらない)に近い感じで、
データを細かく調整するのは苦手なのです。。。w
「聴きやすい」と言われるのはとても嬉しいのですが、
それはおそらくミックスにおけるEQやコンプ、ディエッサーの調整によるもので
VSQデータ制作は期待されるほど凄くも美しくもありませんw

AppendということでVSQのデータ作りが更に大変になる、、、
かと思いきや、自分的にはむしろ逆に感じました。
自分のように、VSQのデータを細かくイジることが苦手な人間は、
細かなニュアンス表現をデータベースによって助けてもらうことが出来ます。
これはある意味「VOCALOID」というソフトが目指す方向性のひとつで
専門的な知識が少なくともソフトウェアに感情表現をさせられるという
ひとつの実験結果なのかもしれません。

もちろんデータを細かくイジる人は、更に凄い領域に達することでしょう。
Appendのデフォの感情を更にデータを調整することで
どこまで歌唱表現力が発揮されるのか、今から楽しみです。

■使い方はクリエイター次第

曲に合わせて、ひとつのデータベースで作るのもよし。
曲の展開に合わせて、感情表現としてデータベースを切り替えていくもよし。
いろいろな使い方が増えるのだろうなと思いました。

しかしAppendがあることで、今度はより「歌唱」に関する技術、経験、知識、感覚が
歌唱データ制作者に問われることになるのかもしれません。
ある人は「ここはこういう歌詞だから抑えた方が良い」と言えば、
ある人は「いや、ここは盛り上がっているから思いきり行った方が良い」と言うような。
こればかりは本当に「正解」というものがなく、
しいて言うならば、歌唱データ制作者が作ったものにそもそもの「意図」であるので
それが正解であるのかもしれません。
同じ「初音ミク」という歌手ではあるけれども、更なる「個性」が現れ、
ぜひ使い手によってそれぞれの「初音ミク」がいることを意識してほしいと思います。

Appendという追加データベースへの評価はすぐには現れないかもしれませんが、
これからの合成音声技術(歌唱に限らない)の中では
非常に大きな出来事になっていくのではないかと思います。
ソフトウェアにおける感情表現、たった7つの組み合わせでも
自分には無限にも近いパターンが生まれるような感覚を覚えました。
7つの歌唱表現を(少なくとも自分の満足する)適材適所に、配置することが出来るか、
Appendの表現力に自分が追いつけるかどうかが最初の課題となりそうです。

最初にも紹介させて頂いたのですが、もし良かったら、曲展開や歌詞に合わせた
ワタクシの試行錯誤の「感情表現」をお楽しみ頂けけたら幸いです。


GROW feat. 初音ミク REBOOT feat. 初音ミク World Breakout feat. 巡音ルカ NEXT (Ver.i) feat. 初音ミク

Activity

エンタメ創作集団S-TRIBE だいぶVR(PANORA) そそれぽ(iNSIDE) KarenT

Twitter

SOSOSO×VOCALOID

Nintendo Switch PlayStation 4 HTC VIVE

新着記事

報告など
スーパーマリオオデッセイの曲のフルがもう売ってる。
#予言者育成 学園1周年、きっと藤澤Pの長年の挑戦がひとつ結実した日
そそねこによる「そそそオゥフオゥフ」レポート
【#ラブコメのススメ】第1回:「YAWARA!」最大の敵は柔道のライバルではなく恋愛感情。
変なスマホゲー『予言者育成学園』をもっと広めたいおじさん
「ノーゲームデー」にノー
ファミコン世代が日本の害悪とは限らない
だから『無双』が売れる世の中
インタネ社の配信でピアプロの絵を使おうとした人がいた話

  • Amazon Game Top10

    Powered by amaprop.net
  • メタ情報