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VL-SCRAMBLEに参加した理由

2010.03.22



2010年3月24日にキングレコード×クリエイティブランからメジャー流通で発売される
11人のクリエイターが集結したVOCALOIDのコンピレーションアルバム、
『VL-SCRAMBLE』に自分も参加させて頂きました。

今まで商業系のVOCALOID作品には、クリプトン社が運営するKarenT以外は参加しておらず、
同人でリリースするCDの規模も比較的小さいものでした。

なぜそうであったかというと、先日ASCII.jpでのインタビューで答えた通り、
「個人」がビジネスモデルを個々で作り合って潰し合ってしまうのは
いろいろと先へとつながりにくいことではないかという考えがあることがひとつ。
より良いサービスへの取り組み、切磋琢磨があったとしても
イベント会場の外側へ向けていくのは個人ではなかなか難しい状況。

そうなると同じことを同じような方法で表現しても理解してくれる、
個人を尊重してくれる企業やレーベルの力が必要になってきます。

自分の感覚だと、そのひとつは現状では間違いなくKarenTで、
企業を通すことで生まれてくる「負の面」がもっと小さく済んでいる
(契約の煩わしさ、管理、キャラクターの権利などなど)
個人活動と同等の感覚で、非常にスムーズに商業展開してもらえるレーベルだと思っています。

そしてそれと同等かそれ以上に、クリエイターの視点で様々なことを考えて
個人では不可能な範囲の活動をサポートしてくれるレーベルが
「VL-SCRAMBLE」のクリエイティブラン社であると感じています。

このVL-SCRAMBLEというコンピレーションCDで自分は、
クリエイターが企画を立ち上げ始めるところから
流れのほとんど全てを比較的近くで見て来ました。

まず商業展開のCDでクリエイター(含む演者・アーティスト)が
企画を立ち上げるということ自体がなかなか有り得ないことなのです。
力を持った人ならばまだしも、無名のクリエイターたちが
おいそれと会社に企画を持ち込んで、それが商品になることは一般的にはありません。

しかし、クリエイターの考えをクリエイター目線で考えて、
可能な範囲で実現へと動いてくれるのがこのクリエイティブランというレーベルです。
だからこそ、権利関係に気を使わない、ネットらしい自由な支援も行えるのです。

大手レコード会社であるキングレコードや
キャラクター権利元であるクリプトン社とも、対等に向き合って
我々のような立場の人間の言葉を伝えられたのもこのレーベルがあってこそです。

「VL-SCRAMBLE」はCDの隅々まで、
本当に参加クリエイターや支援クリエイターの皆で考えて形にしました。

トップダウンで「あの曲を入れさせてくれ」「こういう絵を描いてくれ」と言われるのではなく、
ボトムアップで「こんな曲がいい」「こんなブックレットがいい」と
意見を上げて行きました。

作り方は極めて同人的ではあるけれど、完全にメジャー流通であり、
協力して下さった企業様の顔に泥を塗ってしまわぬよう、
出来ることを一生懸命やりたい次第です。

この作品そのものが正解とはまだまだ言えかもしれないけれど、
この方法が正解たどり着くための道のひとつであると確信しています。

自分たちの作品表現をダイレクトに伝え、
個人レベルでは不可能なプロモーションや展開を行ってくれる企業の力を借り、
作り手から受け手の間、途中にどうしても入り込んでしまうであろう不純物を
出来るだけ少なくなるようにするひとつの方法。

この方法こそが、娯楽産業が進まなければならない方向のひとつだと思っています。

それを自分は支援したいと思いました。

「産業」ということは、金銭が動くということです。
自分の作品を無価値であるとは考えていません。
ただ適正な価格は自分自身ではわかりません。
しかし安すぎてはいけないのです。絶対に。

デフレ化を生み出してしまうからです。

究極を言ってしまえば、高価なものを無償で配ってしまっては
経済が破綻してしまうということです。
それは我々に跳ね返ってきて、生活が苦しめられていくことにつながります。

価値あるものを作っても「あの人はゼロ円だからあなたもゼロ円で」と
それを常識化しては絶対にいけません。
趣味で作った野菜を、日本中で大規模展開して無償で配布したら
それを本業として生活を工面している農家や卸売業者や八百屋さんが全滅してしまいます。
趣味で野菜を作ったあなたに、その農家や卸売業者や八百屋さんが被っていた責任を
すべて代わりに被る力を持っているのでしょうか。

企業は企業としての責任を持って、自分(たちの作品)を査定し、
正しく適正に評価すべきです。
そして正しくコントロールし、供給過多・不足など、
さまざまなバランスをしっかり取るべきです。

いつも言っていることですが、自分はアーティスト(芸術家)ではありません。
芸術的感性などほとんど持ち合わせていないでしょう。
例え持っていたとしても表に出すことは今後もほとんどないでしょう。

音楽家ではなく、音楽屋なのです。

その音楽屋さんとしてのあるべき方向を、
音楽家さんとうまく共存して受け手に受け入れられてもらえる方法を、
少しずつでも自分なりに探し続けます。
少しでも自分の感覚に近いものを支援してみたいと思います。

その答えを「VL-SCRAMBLE」というCDの企画の中に見出すことが出来ました。
CD全体を聴いて頂ければその空気を感じ取ってもらえると思います。

どうか店頭で手に取ってみたり、ネットで試聴してみたり、してみてください。
VOCALOIDに興味がなくとも、
クリエイター・アーティストとレーベルとの新しい関係に興味を持ってくれたなら
どうかどうか、ぜひぜひ、耳を傾けてみてください。

どうぞ宜しくお願い致します。


VL-SCRAMBLE


GROW feat. 初音ミク REBOOT feat. 初音ミク World Breakout feat. 巡音ルカ NEXT (Ver.i) feat. 初音ミク

Activity

エンタメ創作集団S-TRIBE だいぶVR(PANORA) そそれぽ(iNSIDE) KarenT

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